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【職員・家族向け】認知症の介護について ~イライラせずに対応する方法~

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認知症の介護について

 ~イライラせずに対応する方法~

この記事では介護現場で日々認知症の方の介護を行っている現役介護福祉士の僕が、認知症の介護に悩んでおられる介護士やご家族の方の心が軽くなるような情報を提供できればと思います。
認知症の介護でついイライラしていまい自己嫌悪に陥ってしまう方
認知症の介護はもう無理!限界だ!
認知症の介護に疲れた…と我慢の限界になる前に見て欲しい記事になります。

この記事で解決できる認知症介護についてのお悩み

①認知症とは

「認知症」とは、様々な脳の病気により、脳の神経細胞の働きが徐々に低下し、認知機能(記憶、判断力など)が低下して、社会生活に支障をきたした状態をいいます。

認知機能の障害としては、記憶障害(同じことを何度も言ったり、物がなくなったりする)、言語障害(人や物の名前が出てこない)、視覚認知障害(知っているはずの場所で迷う)、実行機能障害(物事を計画立ててできない)、社会的認知障害(他人に共感したり同情できない)などがあります。

・認知症の種類
認知症には主に4つの種類が挙げられます。
①アルツハイマー型認知症 ②血管性認知症 ③レビー小体型認知症 ④前頭側頭型認知症の4つが主な認知症の種類になります。

その中でも最も割合が多いのがアルツハイマー型認知症、次いで血管性認知症とレビー小体型認知症が続いていきます。それぞれの認知症で症状が変わってきますので、ざっくり【認知症】と一括りにしてしまわずに、それぞれの認知症の症状を知っておくことで対処法が理解できたり、介護のお悩みが軽減できるかもしれませんので次の項目で勉強していきましょう♪

・認知症の種類ごとの症状とは

・アルツハイマー型認知症

過去の出来事は覚えているけれど、最近の出来事は忘れてしまう、自分が何を忘れたかがわからない・自覚できないのが特徴とされています。

アルツハイマー型認知症は症状が進行すると、今の日時や場所がわからなくなる見当識障害や、見聞きした情報をうまく理解できない失語・失認が現れるようになります。外出した際に帰り道がわからなくなり、迷子になってしまう場合もあります。

症状は比較的緩やかに経過していき時間の経過とともにカーブを描くように進行するのが特徴です。

・血管性認知症

血管性認知症はその名の通り脳の血管障害を原因とする認知症です。何らかの原因によって脳が損傷を受け、損傷を受けた脳の部位の機能が失われることで、さまざまな症状が現れるとされています。損傷を受けた場所により症状が異なることからまだら認知症とも呼ばれることもあります。

血管性認知症は記憶障害や運動機能障害意欲の低下感情のコントロールが難しくなるなどが主な症状とされています。

脳の損傷を受けた部位によっては排尿障害や視力の低下が現れる場合もあります。
症状の進行の仕方は階段状に進行するとされており、再度脳梗塞や脳出血を起こすと症状が一段と進行します。

・レビー小体型認知症

レビー小体型認知症は、脳に「レビー小体」と呼ばれる異常なたんぱく質が蓄積し、脳の神経細胞が損傷を受けることで発症する認知症です。

レビー小体型認知症は理解力や判断力が低下する認知機能障害認知機能の変動(日や時間帯によってはっきりしている時とぼーっとしている状態が入れ替わる日内変動が見られる)、幻視や妄想、動作が遅くなったり筋肉が固くなる、手足が震えるバランスが保てず転びやすくなるパーキンソン症状、睡眠中に大声を出したり怒ったり、暴れてしまう睡眠時の異常行動等が主な症状とされています。

症状の進行はいい時と悪い時を繰り返しながら進行します。今日は調子がいいと思っても数時間後や次の日には認知機能の低下が見られ、会話ができない事もあります。

・前頭側頭型認知症

前頭側頭型認知症は、脳の前頭葉や側頭葉と呼ばれる部位が萎縮し、行動や人格が大きく変化するのが特徴です。

前頭側頭型認知症は国の難病指定にも認定されており、症状は人格変化・行動障害と、言語の障害2大症状として出現してきます。
人格変化と行動障害としては抑制が効かない(社会的に不適切な行動、礼儀やマナーが無くなる、衝動的で分別が無い、周囲の目を気にしないなど)、無関心や無気力、共感の欠如(風邪で寝込んでいる妻に対して、いつも通りに平然と食事を要求するなど)、同じ行動や言葉を繰り返す(同じコースを散歩する、同じ食事のメニューに 固執する、時刻表的な生活パターンを過ごすなど)、食事や嗜好の変化(アイスクリームや饅頭を何個も食べる、ご飯に醤油や塩をかける、珈琲に何杯も砂糖を入れるなど)などをがみられます。
言語障害としての症状は信号機を提示しても「信号機」と呼称ができず、「見たことがない」と言い、その後「青い電気がついている」などと答えたりする等の、単語の理解障害に基づく呼称障害が出てきます。
他にもパーキンソン症状(ふるえる、動作がゆっくりとなる、関節がかたくなる、転びやすくなる)、運動ニューロン症状(筋力の低下、筋肉の萎縮、身体のつっぱり)が現れることもあります。

主な4つの認知症について解説しましたが、認知症についての詳しい症状やサポートなどは政府広報オンラインに情報が載っていますので気になる方は一度見ていただければと思います。
参考:政府広報オンライン 知っておきたい認知症の基本

②認知症の人の頭の中はどうなっているのか?

実際に認知症にかかっていないのでそっくりそのままお伝え!とはいかないですが、おすすめの書籍があるのでその書籍を基にご説明できればと思います。
筧 祐介さんが著者の【認知症世界の歩き方】という本があります。

この本は実際に僕も購入して読んだ本で、僕の働いている施設でも、認知症介護の研修の一部で使用したり現場の職員へ貸し出しを行って読んでもらっている書籍になります。

認知症世界の歩き方 [ 筧 裕介 ]

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認知症世界の歩き方は著者が認知症当事者の方たちへのインタビューを行い、認知症の方が実際に見ている世界を、スケッチと旅行記の形式で①~⑭までの認知症の症状毎にストーリーにしているので読み進めやすく初めての認知症の勉強にもおススメの書籍になります。

・乗るとだんだん記憶をなくす「ミステリーバス」
→自分のしたことを忘れてしまうのは、なぜ?

・だれもがタイムスリップしてしまう住宅街「アルキタイヒルズ」
→あてもなく街を歩き回ってしまうのは、なぜ?

・イケメンも美女も、見た目が関係ない社会「顔無し族の村」
→人の顔がわからなくなるのは、なぜ?

・熱湯、ヌルッ、冷水、ビリリ。入浴するたび変わるお湯「七変化温泉」
→大好きだったお風呂を嫌がるのは、なぜ?

・時計の針が一定のリズムでは刻まれない「トキシラズ宮殿」
→コンロの火を消し忘れてしまうのは、なぜ?

・一本道なのになかなか出口にたどり着かない「服ノ袖トンネル」
→同じ服ばかり着たがるのは、なぜ?

・ヒソヒソ話が全部聞こえて疲れてしまう「カクテルバーDANBO」
人の話を集中して聞けないのは、なぜ? 等々…

各症状をストーリーにしているので各ストーリーを一つずつ読むだけでも勉強になります♪

 

③介護する人の心を軽くする考え方や介護の仕方

認知症世界の歩き方にも書いてありますが、認知症介護で必要な事は当事者の視点を知る事だと思います。当事者の視点を知ることが出来れば、介護をする人が感じている気持ちと認知症の方が抱いている気持ちの温度差を少なくすることができ、結果的にストレスの少ない認知症介護が出来るのではないかと思います。

認知症世界の歩き方では認知症の方へのインタビューから明らかになった心と身体に抱える44個のトラブル・障害を【記憶】【時間・空間】【五感】【注意・手続き】の項目にわけて各ストーリーで紹介されているので、認知症の症状による困りごとはこのトラブルが原因で起きているのかと理解しやすくなっています。

認知症の当事者の視点も理解できた!でも認知症介護はそんなにうまくいかないよ!と感じる方もいるかもしれません。

でも認知症当事者の視点を理解することは本当に大切なことだし、理解した内容はきっと認知症介護の役に立ちます。でも理屈ではどうにもならない事があるのも事実です。

それは認知症の種類は主に4種類ですが、実際には認知症の方の数だけストーリーがあるからではないでしょうか?

僕自身はそこに認知症介護の面白さ、楽しさを感じるタイプなのであまり参考になるかはわかりませんが、「認知症介護は時には諦める事も大切なのでは?」と思う時があります。

認知症介護の現場では 同じことを何度も言う・聞いたりする、何度も外出しようとする、しまった場所を忘れて盗られたと思いこんでしまう、時間や場所の感覚が不確かになる、物や人の名前が出てこなくなる、判断力が低下する等、毎日色々な事が起こります。

僕は記憶障害のある認知症の方と接するときはいつも初めましての気持ちで接しています。介護者は何度も同じ話を聞いてうんざりする気持ちもわかりますが、認知症の方にとっては毎回初めて話しているつもりなのです右から左へ受け流す位の気持ちでもいいかもしれません。
他にも認知症の方から本名とは全く別の人の名前【高橋さん】と呼ばれていますが、違いますよ~と訂正もしないし、なんなら高橋さんになりきっちゃっています。
その方にとっては僕は紛れもなく【高橋さん】なので高橋さんを演じることに徹しています。
よく他人を変えるより自分が変わるほうが早い なんて言葉をビジネスなどの格言的なもので耳にする方もいるかもしれませんが、認知症介護の現場でもこの言葉が使えるんです。

基本的に認知症の方は変わらないし変えれないので介護者の考え方を変えるほうが早く、ストレスも少なくなります。
上記の僕の体験談のように、認知症の方に接する際には自分がどうしたいかよりも、認知症の方がどうすれば穏やかに過ごせるかを考えて介護をしています。

何回も同じ事を聞かれたら何度も同じことを返すし、違う人の名前で呼ばれたら違う人の名前の人になる、命に係わることでなければ基本的に自分の主張を通すことはしません。なので認知症介護の現場で悩むことも少ないです。むしろ悩んでも仕方ない事の方が多いです。

真面目な人ほど認知症介護の現場では悩んでイライラしてしまう事が多いので、「頑張りすぎない」、「初めましての気持ちで接する」、「同じ話は右から左へ受け流す」、「悩んでも仕方がないことで悩まない」

在宅で認知症の方を介護されているのであれば、デイサービスを活用する、ショートステイで週末は自分の時間を確保する等、家ですべての面倒を見ようとせずに時には距離を取ることも大切です。

④まとめ

認知症介護まとめ

①認知症の主な種類は4種類

・アルツハイマー型認知症 ・血管性認知症 ・レビー小体型認知症 ・前頭側頭型認知症

それぞれ認知症の種類によって症状が異なる

②認知症の人の頭の中はどうなっている?

認知症世界の歩き方を読んで認知症の人が見ている世界を理解しよう!

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③介護する人の心を軽くする考え方や介護の仕方

認知症の人は変わらないし変えれないので他人を変えるより自分の考え方を変えてみよう!

真面目に頑張りすぎない」「初めましての気持ちで接する」、「同じ話は右から左へ受け流す」「悩んでも仕方がないことで悩まない」

以上が

認知症の介護について~イライラせずに対応する方法~についてのお話になります。

最後まで読んでいただきありがとうございました。介護に悩む方がこの記事から何かしらのヒントや情報を得てくださり、少しでもお役に立てたなら幸いです。

ABOUT ME
ひなパパ
自己紹介 :大阪府内の住宅型有料老人ホームにて勤務中。 令和6年現在36歳で2児のパパです。 福祉用具専門相談員→介護士→介護福祉士→New施設長 前職は福祉用具貸与事業所にて勤務し、ご縁があった老人ホームよりお声がけ頂き介護士に転職、現場経験を経て現在は施設長に。 介護に関わる方のお悩みを解決すべく情報発信をしていきます♪