住宅改修の3段階リセットの条件とは?
住宅改修の3段階リセットって聞いたことあるけど、条件もわからないし一体どういう事なのか知りたい
前職の福祉用具専門相談員時代に200件以上の住宅改修を行ってきた僕が今回は介護保険制度を利用した住宅改修の3段階リセットについて詳しく解説したいと思います。
住宅改修の3段階リセットとは一体…?
介護保険で在宅高齢者のサポート行っている方々は聞いたことがあるかもしれない【住宅改修の3段階リセット】を今回は詳しく深堀していきましょう♪
3段階リセットの仕組みについて
3段階リセットで一番多い勘違いが要支援1→要介護2に要介護度が変更になったから3段階リセット適用だー!となるパターンです。
これは大きな間違いで、要支援1→要介護2では3段階リセットの条件を満たしていないのです。
では3段階リセットはどういう仕組みなんだ?と思われたと思いますのでわかりやすく表を使ってご説明します。

上記の表のように、要介護区分は段階にわかれており、要支援2と要介護1は同じ第二段階に設定されている為、要支援1の方が3段階リセットされる場合は要介護3に要介護区分が変更になった場合になります。
要支援1 → 要介護3,4,5に上がった場合
要支援2 → 要介護1は要介護4,5に上がった場合
要介護2 → 要介護5に上がった場合が3段階リセットの適用になります。
このほかにも住宅改修費用のリセットが適用されるパターンがあります。
3段階リセット以外に住宅改修費用がリセットされる例外とは?
それは転居に伴い新たに住宅改修が必要になった場合です。
住宅改修を受けられ方に上限20万円ではなく、現に住んでいる住宅に対して上限20万円が設けられている為、転居された場合は新たに20万円の住宅改修費用が利用可能になります。
例①:賃貸住宅で20万円分の住宅改修を行ったが、立ち退きや家庭の事情で転居を余儀なくされた場合に、転居後の自宅で新たに20万円が利用可能に。
例②:住宅改修を行い手すりや段差の解消で一人暮らしをしていたが、子どもの家に引っ越した場合も新たな住居に対して20万円の利用が可能になります。
おススメの住宅改修の利用方法
要支援1や2の状態のときに住宅改修を行っておく。
僕の個人的におすすめな住宅改修の利用方法ですが、それは「要支援1,2の段階で住宅改修を行っておく」です。
上記の理由についてですが、今まで沢山の住宅改修の施行を行い色々な高齢者の方々とお話させていただきましたが、要支援1,2の時に必要な住宅改修と、要介護3、4,5の時に必要な住宅改修は内容が違うという事です。
基本的に要支援1,2の方は自立度が高く、家事も自分でされ、お買い物や外出など活動的に過ごされる方が多い為、玄関の上がり框に踏み台を設置する段差解消や、玄関、階段、浴室、トイレなどの立ち座りや段差の上り下りをする箇所に手すりを付ければ自宅内で転倒のリスクを軽減して生活していくことができます。
しかし、要介護3,4,5の方々は歩いて移動するよりは車いすの移動がメインになる事が多いので和室→フローリングへの床材変更や開き戸から引き戸への扉の変更、屋外にスロープの設置など、手すりメインの要支援1,2に対して、床材や扉の変更、段差の解消など、想定される住宅改修の内容が大きく違うのです。
このように、要支援1,2の方と要介護3,4,5の方では必要になる住宅改修の内容が大きく異なりますので、要支援1,2の元気な時に必要な箇所に手すりをつけて【転ばぬ先の杖】としていただき、年齢と共に介護度が上がった場合は3段階リセットで新たに必要な箇所の住宅改修をしていただければと思います。
住宅改修の解説についてはこちらの記事にて詳しく解説していますのでお時間があればぜひ♪
住宅改修とは?介護保険を使った住宅改修の流れを解説